初めに「装飾をしたい」とお問い合わせをいただくときは、半分以上の方がいわゆる「装飾」を意識されているので、デコレーションやブースの形の面白さ・カッコよさを気にされています。
そういうお客様には必ず、展示会にどうして出展するのかということを問いかけるようにしています。
そうすると、どのお客様も「集客をして、最終的には会社の利益につなげること」というところに行きつきます。
この部分がずれてしまうと、せっかくの展示会出展の機会も台無しになってしまいます。せっかくお問い合わせいただいたお客様には、「展示会に出展してよかった」と思っていただきたいので、もともとのところに目を向けなおしてもらうために今回の展示会出展の目標・打ち出す商品などを一緒に考えるところから、とことん話し合っていきます。
ブースデザインを考えるのに、お客様がどれだけ真剣に製品を売りたいと思ってきたかを考えると、設計段階で絶対に失敗できないと思うと同時に、より集客出来るよう、力になりたいと思っています。
打ち合わせではお客様に「製品はどこに置けばよいだろうか」「看板の言葉は何がよいだろうか」など質問をいただくことがあります。その際「導線に向かって、このようにしたら伝達力が上がります」や「具体的な価格などの数字も入れましょう」などアドバイスをさせていただいています。お客様の製品が並び、用意された製品が並んだ時にブースが本当の意味で完成する瞬間だと思っているので、伝達力も言葉の選び方が非常に重要になってくると考えています。
よりよい提案をするためには、お客様の出展製品を理解して「この製品が売れるためにどの言葉が来場者に理解されやすいのか」をじっくり考える時間を多くとることが大切だと感じています。
現場では制作グループが表に立ってお客様とやり取りをするので、そこでの対応はとても重要です。展示会が終わり、「展示会装飾をご依頼いただきましてありがとうございました」とメールをする際や、現場で直接「ブースはどうですか」とお伺いした際に、お客様から「現場では今回は〇〇さんが対応してくれたけど、その人の対応がとても気が利いていてよかった」と言われると、すごく嬉しいですね。
やっぱり当日までデザイングループがお客様と築いてきた関係を壊してはいけませんし、逆により良くしていきたいと考えています。そういったことを考えていくうちに、会場内の他社のブースを意識的に見るようになりました。
自社ではまだ使っていない照明や機械、展示方法などを見つけては、「こういう形の照明があったのですが、次回のこのお客様に使ってみてはいかがですか」や「こういう業種にはこのようなブース装飾がいいと思いました」など、まだ自分たちが取り入れていない部分をたくさん見つけて提案して、デザイングループにより良いブース作りに活かしてもらえればと思っています。
搬入で荷物をトラックから降ろして運んだり、装飾を取り出したり取り付けたりと地道でお客様の目には見えない作業がたくさんあるので、そういう部分が1番大変だなと感じます。あとは荷造りが大変です。特に遠方の会場の場合は、不足した荷物を取りに行くことは難しいので、「もしかしたら」とか「かもしれない」という気持ちで、多めにいろいろな種類の備品を準備します。
やはり制作グループの売りはどんな時も瞬時にカバーできる点だと思いますし、そういうところに魅力を感じてくださっているお客様もいらっしゃるので、その期待は裏切りたくないなと思っています。もし急遽パネルを新しく作らなくてはいけなくなっても大丈夫なように、近くでパネルを作れる場所を探しておいたり、近くの宅配業者を覚えておいたり。そういった準備も行っています。
やはり初めは、お客さまが来場者目線に慣れていない場合が多いので、その視点を変えてもらえるようにしていくのが難しいです。今の展示会は木工ブースで看板に社名だけあるような「シンプルでかっこいい」ブースが多い影響もあるからだと思いますが、そういう社名だけのシンプルなブースが良いとおっしゃるお客様がいます。ただそういうブース装飾をしても、せっかくの来場者との出会いのきっかけを逃してしまいます。
それは来場者は社名を探してきているわけではないからです。それを過去のお客様の事例や実績をお見せしたり、同業他社のブースと比較してお見せしたりして、納得してもらう。その一連の作業が大変です。
でも、そこを理解してもらえないと、お客様にとって効果のある「ブース作り」はできないと思っています。
僕はブースを建てるより、準備のほうが大変だと感じます。すべて準備をしてトラックに積む段階で、もう一度チェックをして忘れ物が無いようにすることが1番大切だと思っています。本当に途方もない作業です。当社のブースは「ブースシステム」でできているので、部品が1つでもかけてしまうと施工できません。
同じ展示会に何社もお客様のブースを設営しなくてはいけないときが特に大変ですね。あとはいざ引き渡しになったときに、お客様とデザイングループのちょっとした相違があった場合でも、なるべくお客様の意思に沿えるように、きちんとコミュニケーションを取り、これなら予算にも本番にも間に合うという提案ができるような知識的な準備をしておくことも大変なことの1つなのかなと思います。
当社は「看板の伝達力」を強みとして掲げているので、実際の会場に設営した時に看板が通路からどう見えるかや、他社のブースと並んだ時に生えるデザインや色などを見に行っています。来場者の方が通路を通るのは2~3秒なので、そのブースがひしめき合う中で、どれくらいの大きさで、どんな言葉を使って、どんな色をつかったらいいのか。これを現場に行って確かめています。
こういったものは足を運ぶから得られる気づきだと思いますし、他の業者さんはあまり会場を見に行かれることはしないそうなので、なおさら続けていくべきだと思っています。実際に足を運ぶことでお客様のお客様にお会いできるうえに、来場者の生のリアクションを確認できるので、本当に貴重な時間だと感じます。
制作グループなので様々な会場で、様々な業種のブースを作っていますが、最近は特に当社のブースに似たようなブースが増えてきているなと感じます。しかし、看板の大きさや伝える力はやはり真似できていない、うわべだけを真似しているなと感じますね。これは徹底したヒアリングと、作りっぱなしではなく、きちんと自ら足を運んで、フィードバックを全身で受けに行くという部分が差として出ているのだと思います。
部材(ブースシステム)もビックサイトなどの展示会などでは、トップクラスといってもいいくらい綺麗です。展示台ひとつ見ても他はガタガタというか、作りが雑というか、そういう点を見ても一目瞭然ですね。自分たちは「いいものを作っている」と感じます。
あとは、電気の使い方が当社は秀でていると思います。照明の位置もよく考えられていますし、あとは電球をびっくりするくらい使うので、遠くから見ても明らかに目立ちます!光でも当社が1番なのではないかなと思います。
来場者様がどう考えているか、来場者様がどうしたいかということを汲み取って、それに対するアプローチをすることが1番大事だと思います。来場者様は展示会に各社のサービスや製品を比較しに来ているので、どれだけこちらが比較できる材料を提示してあげられるのかというところが重要になると思います。でもその前に比較対象として選ばれなければいけません。
来場者がブースの前を通り過ぎるのは、2~3秒なので、当社では「看板」にいかにわかりやすく目につく形で情報を提示できるかということにこだわっています。あとはアピールポイント、何を売りにしたいかを明確にすることを突き詰めていくことです。
お客様からよく相談されるのは「何を売り出したらいいのかわからない」ということです。「短納期」といっても、他社と比較するとそうでもない…。」という場合であれば「でもその分気合い入れて作っています」というような意気込みなどでもいいと思います。
展示会に慣れているお客様だと、展示台の大きさや高さは何となくイメージできるかと思うのですが、そうではないお客様は、現場に行ってはじめて「思ったより大きい/小さい」、「ここに棚があったほうがよかった」などと言われることがあります。特に初出展のお客様は、図面を見ながら1度長さを測ってみて体感していただいた方がいいかなと思います。
現場では小さくすることはできるのですが、大きくすることは難しいです。大きさはもちろん色も変更は難しいので、気になることはどんなに小さなことでも、イメージできるまでとことん聞いていただくことをおすすめします。
当社であれば、「印刷の色はどんな感じですか」と聞いていただければ、色見本をお見せしたり、実際に印刷を出してお送りすることもできます。逆に当社も「ここはコンセントを使いますか」といったようなとても小さいことでもお伺いしますので、それくらいお客様も細かいところまで聞いていただきたいです!