ブースは「伝達力」が命

AIで作ったブース案がそのまま使えない!現場で発覚する「セットバック規定」の罠

2025.12.26

ご出展社様から「とにかく目立つブースにしたいから高さを最大限にしたい。AIでブース案を作ってみたからこのまま作ってほしい、概算見積がほしい」というご相談をいただくことがあります。

※生成AIによる9㎡(3m×3m以下)1面開放ブース

〈装飾規定を無視したデザイン〉
確かにAIのデザイン案は魅力的ですが、ここで落とし穴となるのが、展示会ごとに定められた「装飾規定」です。特に「高さ規定」とセットで考えなければならないのが「セットバック規定」です。今回ご相談いただいた展示会は「通路や隣接小間から1mセットバックすれば、高さを3.6mまで上げることが可能」なルールでした。しかし、AIが作成した案は、このセットバックを無視して全面3.6mの壁が立っているデザインだったのです。このままでは規約違反となり、ブースを建てることが出来ず、万が一そのまま進めてしまった場合、展示会場で高さを規定に合わせないと出展停止という事態が起こると、現場では非常に深刻な問題に発展します。これは展示会場の「ブースの境界線から一定距離を空けて展示物を配置しなければならない」という安全性と通行性を確保するために設けられた重要なルールです。

〈住宅建築にもあるセットバック規定〉
住宅建築でも「セットバック」という言葉がありますが、展示会の世界でも考え方は同じです。目的は「防災」と「公平性」。1000社以上が集まる会場で、各社が自由に境界ギリギリまで高く壁を立ててしまったら、会場は圧迫感で溢れ、避難通路も確保できなくなってしまいます。

〈なぜ、展示会でもセットバック規定が必要なのか?〉
東京ビックサイト、幕張メッセ、インテックス大阪、メッセなごやなど全国の展示会では各会場の展示会マニュアル規定があります。最大1000件を超える出展社が1つの展示会場に決められた場所にブースを建てることになります。そのため、各出展社へ公平なルール決めとして装飾規定というものがあり、その中にセットバック規定という項目があります。

〈セットバック規定の目的〉
装飾規定におけるセットバック規定の目的は主に3つあります。
①来場者の安全確保
②通路の混雑防止
③隣接ブースとの公平性維持

これらを守らないと、是正指示や最悪の場合は展示中止になることもあります。また、一般的なセットバック規定の例は以下の通りとなります。
※実際の数値は展示会ごとに異なります。出展規定書(出展社マニュアル)を確認しましょう。

〈セットバック違反が起こりやすいポイント〉
特に注意が必要なのは以下です。
①床の通路ラインを基準にしていない
②施工業者に規定を正確に伝えていない・理解していない
③図面では問題ないが、施工後に什器・展示物を追加する

「1m下がれば高くできる」といっても、間口いっぱいに壁を立てていいわけではありません。多くの展示会では「間口の1/3以内」などの開放制限もあります。高さと幅、両方のバランスが重要です。装飾規定におけるセットバックルールは、展示会全体の安全性と秩序を保つための重要な基準です。ブース設計の初期段階から規定を正しく理解し、余裕を持ったレイアウトを行うことが、トラブル防止につながります。「知らなかった」では済まされないのが展示会のルールです。特に高さ制限が緩和されるセットバック規定は、ブースを立派に見せたいという欲が裏目に出やすいポイント。図面段階で「この3.6mの壁、本当に1m下がっていますか?」と、しつこいくらいに確認することをお勧めします。

〈展示会のことならお任せください〉
弊社では年間500以上の全国の展示会を対応しているため、各展示会マニュアルなどしっかり確認させていただき、お客様に最適なブースのご提案を行っております。出展の成果に繋がるべく、来場者に伝わる「集客できるブース装飾」を一緒に作りましょう。ぜひ、お気軽にお問合せください。
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